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重箱たたき│和(甲州)│木部│ http //www10.plala.or.jp/cotton-candy/momomi2/maki-1308.htm
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ウェーラのまたたき (4) 「みんな、やる気なのはうれしいけれど・・・・・・」 ウェーラは言う。それから卓に広げた楽譜を集めてまとめると、とんとんとそろえる。それからため息こそつかないものの、たんとんと自分の肩を自分で叩いたりする。 「肩、叩きましょうか?」 半分は冗談でノイナは言った。 「祖父の肩を時々叩きましたから」 えー、とウェーラは笑う。 「わたしそんなにおばあちゃんじゃないです」 「お疲れみたいだったから」 ウェーラは、ううん、とかぶりを振る。両脇でまとめた髪がゆれる。 「ぜんぜん疲れてなんていないよ。新学期になってから楽しいことばかりだもの」 ウェーラは言う。 「わたしね、すごく楽しみだったの。新入生が来るって。きっとたくさん友達ができるって。どんな子が来るんだろうって」 ノイナは少し背を正した。 「どう思われました?」 うん、と応じてウェーラはノイナへ振り向いたけれど、その瞳を少し逸らした。 「最初に名前を聞いたときにはちょっとだけ驚いたけれど」 「そんなにおかしかったですか」 「おかしいなんてこと、全然なかったよ」 すこしだけノイナは安心していた。 「わたしは、ずっと家を離れたことがありませんでした。だから、ここに来たときは本当に驚きました」 洗濯も、授業も、課外活動もだけれど。 「出来ると思っていたことを、自分でやってみたら、思ったほどできなかった。家では、私が何かしなくちゃいけないと思っていたのに、本当はただ見ているだけだった。この学院のお話を聞いたとき、興味もあったけれど怖くもありました」 「来てみて、どうだった?」 「楽しいです。とても」 ノイナは顔を上げてウェーラへと振り向く。 「これだったら、去年のうちに入学しても良かったのかもしれません」 「去年?」 ウェーラが問う。はいとノイナは応じる。 「祖父は去年のうちにお話があったようです」 ただ去年のうちでは、難しかったかもしれないと思う。 「それじゃ、ノイナさんはいまおいくつ?」 「今年で十七になります」 「十七歳?じゃあ、同い年じゃない」 ウェーラは両手をきゅっと結び合わせて顔を輝かせる。 「よかった」 「よかった、ですか?」 だって、とウェーラは笑顔を見せる。 「友達と一緒なことがあるのはうれしいことじゃない」 「でも先輩と後輩ですよ」 「わたし、思ってたの。ノイナさん大人だなって」 ウェーラは言う。 「落ち着いて見えたもの。それに物静かだし・・・・・・」 あっ、とウェーラは声を上げた。あわてたように片手で口元をおさえる。それからノイナを見つめて、大きくぱちぱちとまたたく。ノイナは問う。 「どうか、しましたか?」 ノイナ言うと、ウェーラは困ったように目を逸らし、斜め上を見る。 「・・・・・・」 「・・・・・・あの、わたし、何かしましたか」 さらの問いに、ウェーラはふるふるとかぶりを振り、さらにぱちぱちとまたたく。 「・・・・・・」 「ウェーラ様?」 「何でもない何でもないです」 困ったようにウェーラは笑う。 何だか、良くわからないかたちで、話が途切れてしまった。ノイナよりも、むしろウェーラの方がばつ悪げで、何か困ったかのうように見えた。 だからと言って、ウェーラがよそよそしくなるかと言えばそんなこともなく、ただどういう訳か、ノイナを見つめ返して大きくまたたきをして見せるのだけれど。 やがて図書館へ行っていた一期生達が戻ってくきた。みな、あまり浮かない顔で、探していた物は見つからなかったようだ。 「どんなふうな歌劇が良いのか、話がまとまらなかったの」 やっぱりそんなことだったのだろうと、なんとなくノイナは思った。顔には出さなかったけれど。 「やっぱり、格好いいのがいいと思うの」 卓を囲んで話が始まる。うんうん、とうなずく姿もある。 「やっぱり格好いい制服で」 うんうんとみなが頷く。 「やっぱり刀とか持って」 うんうんとうなずく。 「剣戟とかあって」 「アクション満載で」 なんだか妙な話になっている。 「恋愛もあって」 ひときわ大きくうんうんとうなずく。 「でも最後が問題なのよねえ」 うんうんとうなずきが続く。 「悲恋で終わるか」 「それともハッピーエンドか」 うーん、と一期生たちは腕組みをしてうなる。ノイナとウェーラは顔を見合わせた。 「歌劇って、そういうのを考えてたの?」 ウェーラが恐る恐る問う。途中で、聞かない方が良いかな、と思った。でももう遅かった。 「それはもちろん・・・・・・」 みながノイナを見る。 「・・・・・・」 「黒の軍装を着てもらって」 「刀も持ってもらって」 「剣戟で立ち回ってもらって」 「ばったばったと百人くらい切ってもらって」 「恋愛もあって」 「でも最後が問題なのよねえ」 「悲恋で終わるか」 「それともハッピーエンドか」 「・・・・・・えーと、どなたがその役を」 『もちろん!』 声がそろう。 『ノイナさんに決まってるでしょう!』 こっちの方向じゃなくて、別の方向に伸ばすつもりだったのが、なにがどうなったのやらオレw とゆーか、考えたこと忘れちゃったんだよw
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ウェーラのまたたき (6) 不意にウェーラは言葉を途切れさせる。 「あれ?」 巻き舌気味につぶやく 自習室で頬に人差し指をあてて、何か思い出そうとするかのように天井へと目を向ける。ノイナは問う。 「・・・・・・どうか、されましたか?」 え?と声を上げかけ、ウェーラは今まで饒舌だった口元を手のひらで隠す。それからノイナから目を逸らし、斜め上のどこかをちらりと見て、ぱちぱちとすこし照れくさげにまたたいてみせる。 自習室は変わらずざわめいているけれど、あたりは少し静かになった。一緒の聖歌隊の一期生が、軽くウェーラを覗き込む。 「・・・・・・」 何でもない何でもない、というようにウェーラは小さく手を振って打ち消してみせる。一期生たちはそれほどおかしいと思わないらしい。そのまま、それぞれの話に戻ってゆく。 聖歌隊の一期生はまだ多くがソロルを選んでいなかった。入学の時の組み合わせの者が多かったけれど、幾人かはすでに一人になっていた。 新歓コンサートが終わるまで、ソロルという気になれない、と言うのが一期生たちの言い分だ。二期生から聖歌隊に正式に入ったのはノイナだけで、それ以外はまだ正式入隊には至っていない。今も自然に新歓コンサートの話になっている。 自習室は、正しくは自習のためのための部屋で、部屋のざわめきは無駄話ではなく「高昇のための対話」ないしは「善導」のため、あるいは学年や学級の自治運営に関わる話し合いのため、ということになっている。ただのおしゃべりは本来はふさわしくはない。 ふさわしくはないのだが、人というのはそうそう根を詰めて勉強できないものだし、女の子たちは寄ると触るとおしゃべりになってしまう。始まってしまえば流れのままで、時には声が大きくなり、そうなると恥ずかしげに連れ立って自習室から出て行ったりもする。 こうやって、誰に言われるでもなく自ら自習室で勉強をする習慣に、ノイナは少し驚いていた。ノイナ自身もまた、ここではそうしなければならなそうだとも思っていた。授業のレベルは高い。人の知とは何か、知とはなんであるかから始まる。その認識なしに、見聞きしたことをただ覚えていることを、知とは見なさない。それにノイナは入学試験の結果のような、優劣の差の激しい成績を残すつもりは無い。 ウェーラは、わからないことがあったら相談してね、と言ったのだが、自身の勉強もまた大変そうではあった。一生懸命勉強した、と言っていたし、一生懸命にやることはウェーラの信条であるらしい。眉根を寄せて参考書を睨みつけるように読んでいる様子は、かわいくすらある。そう思うのもどうだろうと、ノイナも内心で自分に問うのだけれど。 「学院」では知とは読み、そして覚えることのみではないとされていた。それは対話を通して高められるものだというのが教えだった。 教授は講義中に学生に対してよく審問を行ったしまた、学生同士のそれも推奨されていた。自習室はそれを行う場でもある。判らないことについて助けを求めるのと同じくらい、わかったことについて説明を行い、聞かせ納得させることも大事なことであるらしい。ノイナは公爵家教育役の口頭審問を思い出していた。そんな役割があったのだとはその時にはわからなかったけれど。 だから自習室で机を囲む顔ぶれは同じではない。聖歌隊のメンバーも、良く別のグループに参加している。というより聖歌隊でまとまってしまうことの方が珍しいらしい。いつもはウェーラも、聖歌隊ではないグループと勉強していたりしたという。 「クラウディア様や、エウセピア様ともね」 彼女らの姿は少し離れた別の集まりの中にいる。「親友」ということなのだろうかとノイナは思う。 ノイナはこの「学院」で、公爵家のナディアとそうであったように、心を打ち明けあったりできるのだろうか、とも。 ウェーラは、ノイナに心を打ち明けてくれているのだろうかと、ふと思った。 今のウェーラは前とは様子が変わったような気がする。ウェーラは初めて相対した時から明るかった。良くしゃべったし、喋るだけでなく、ノイナの言うことをよく聞いてもくれた。だいたいのところはノイナが問う前に、ウェーラの側から不足なく聞かされていたのだけれど。 だからノイナはこの学院で、困ったことはほとんどなかった。洗濯やベッドメイキングのように、できると思っていたことがままならないようなことはあったけれど、どうしてよいか判らずに途方に暮れることはなかった。 多くのことはウェーラがさりげなく、時には笑い話を交えて手助けしてくれていた。 良い先輩に恵まれたと思って安心していた。 何かおかしい。 就寝時間が近づき、自習室をひけて、自室へ戻りながらノイナは思った。今はそう思える。何がということではなく、ただそう思える。就寝までの時の静けさすら気にかかる。 静かに着替え、それからノイナは振り返る。行わなければならないことがあるのなら、行うべき者が、自ら進んで行うべきだ。ノイナはそう教えられてきたし、それを正しきことと信じてもいた。 「ウェーラさま、よろしいですか」 はい、といつもの声でウェーラは応じ、それから振り向く。何か言いかけ、けれどウェーラは口をつぐむ。 「・・・・・・」 ウェーラは問い返すように小首をかしげる。ここの所のように、幾度もまたたきはしない。 「ここの所、お疲れのように見えました。急に黙り込まれたりされて、お加減よろしからずやと案じておりました」 ノイナは言う。ウェーラは、すこし驚いた風で、なぜかぱちぱちとまたたく。それからかぶりを振った。 それがウェーラのこたえなのだろうか。 「・・・・・・」 その先に、もう一歩踏み込んで聞くのが怖かった。 「・・・・・・もしかして、私が何か気に障るようなことしいたしましたか」 「そんなことない」 かぶりを振ってウェーラは言う。 「聖歌隊に入ってくれてうれしかったし、同い年だって聞いてうれしかったし、きっと仲良くなれると思ったの。ほんとうに」 ウェーラの緑の瞳が、ノイナを見つめ、それからそっと逸らされる。ウェーラはときどきそうしたし、そうしているときには少し困っているのもなんとなくわかった。 まばたきはないけれど、いつも通りのそれがあったとすれば、一つ、二つと行われただろう時が過ぎてゆく。 言うべきことがあるのならば言わねばならぬ者が言えと祖父は言った。それこそ外様にしてケイロニウス一門となった当家の役割であったのだと。 けれど、何を言えばよいのかわからない。 「・・・・・・ごめんなさい」 「ほんとうに、ほんとうだから」 「・・・・・・はい」 ようやくノイナはそううなずいた。 途中で考えてたことがすっとんで消えて忘れちゃったからえっらい苦労したんだが、 なんとか最初に考えたところに戻ってきたw でもこんなに重くするつもりは無かったんだけどなあw 長く書けば、長く書いた分の重みがオチにかかってきちゃうから、逆の意味でガクガクブルブルしてるんだけどw 次は若干暴走気味だが、いつものことなので生暖かくひとつ
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ウェーラのまたたき (3) 余計なことを言ってしまったかとノイナは少し後悔していた。 ウェーラは大丈夫大丈夫なんでもないの、とは言うけれど、やはりいつもと違う。案じられて、声をかけられても言葉ではあまり応じずに、広げた手を振って、心配されるようなことはないのと声に出さず打ち消しているように見える。 礼拝堂での練習の時も、ウェーラのいつもの明るい励ましと、褒める声がしないと、なんとなく盛り上がらない。元気が無いというわけではない。発声練習ではいつも通りに声が出ているし、発表前の通し練習での細かいところの直しもいつも通り、ちゃんとしている。ノイナは今は見学みたいなものだ。今は新入生勧誘コンサートのための最後の仕上げの時期で、今まできちんと歌ったことのないものは入り込まない方がいい、ノイナはそう思っていた。 それに聞いているだけでも、それはそれは素敵な、そう素敵なと思う。 年頃の女の子たちの高い声は透き通って、差し込む光のようだ。「学院」に来るまで歌を歌ったことのない子のほうが多かったと聞いていた。それでも礼拝堂一杯に広がる声は、豊かだなとノイナには思える。歌いかたの練習だけじゃないのよ、とウェーラは言っていた。 『発声練習からちゃんとやってきたんだもの』と。 勧誘コンサートのための練習であったけれど、練習のために礼拝堂を閉じることは無かった。だから礼拝堂の入り口あたりには、合唱部の練習を聞きに生徒たちが集まっている。女子だけでなく、けっこうな数の男子も来ていた。「学院」では、男子生徒と女子生徒は寮からきちんと分けられているから、関わりになることからほとんどないのだけれど。だからなのか練習を聞きに来ている男子生徒と、女子生徒は互いに離れて集まっている。 けれど曲が終わった時には、男子からも女子からも拍手が沸き起こってくる。 指揮のところに立っていたウェーラはくるりと振り返って聞き手たちにお辞儀をして見せる。すると拍手はさらに大きくなる。男子からは口笛が飛び、それには女子から下品ねーと冷たい目が行く。 通しの練習だから、大きく変えることはなくなっていて、あるのは細かい直しばかりだ。熱を入れて練習するというより、本番に備えて気持ちを一つにしてゆく時だった。それに今日はソロのパートを歌うエウセピアがいない。近衛騎士の練兵だという。学院にはエウセピアの他にも、古人にして一門宗主子弟が幾人かいて、その子らも近衛騎士として練兵に行くのだという。彼ら彼女らはいずれも機神に乗り手として受け入れられたのだという話らしい。 通し練習の反省会は礼拝堂ではなくて、控室で行うことになっていた。そこならばお茶を頂くことができる。反省会はいつの間にかお茶会を兼ねて、お茶会は楽しいおしゃべりに変わってゆく。ここの所はノイナが聞かれ役に回っていた。好きな歌は何かとか、好きなお菓子は何かとかそんなことからだ。 「歌劇をご覧になったことは?」 「いいえ、ありません」 聞いたことはある。「内戦」の前には、歌と踊りとを組み合わせた歌劇が盛んに上演されていたらしい。旅巡業をして上演されるものもあれば、帝都の大きな劇場で行われるものもあって、帝都で行われるものは華やかなものであったと聞いた。「内戦」のときには歌劇どころではなく、旅巡業どころでもなかったはずだ。 「じゃあ、みんなでやってみませんこと?」 不意にだれかが言い、つづいて申し合わせていたかのように、やってみましょうよと賛同の声があがる。 少し困って、ノイナは隣のウェーラを見た。ウェーラも困った顔をしている。いつもなら否とか応とか、わたしはこう思うとか言ってくれるものだけれど、やはり今日はいつもと違う。 困ったような顔をして、口を開きかけ、何かを言おうとするのだけれど、口にはしない。代わりに、ぱちぱちと大きくまたたきをして、みんなを見る。 まるで目で話しかけようとしているみたいだ。 やろうやろうと盛り上がる皆を前に、やっとウェーラは口を開く。 「ねえ、今日はエウセピア様がいないし、今、決めてしまわない方が良いと思うのだけれど・・・・・・」 「でも、みんながやりたいと思っているなら、そういう風にエウセピア様に話してもいいんじゃないかしら」 「それじゃ、エウセピア様にこんなのがやってみたいって言えた方がいいんじゃないかしら」 「アルトリウス殿下のお話とか?」 「待って、待って、皆さま」 「そうね、楽譜が無いと歌劇にならないから」 「それじゃまず図書室に行って調べてきましょう」 「皆様、待って・・・・・・」 「大丈夫、決めてしまおうということではなくて、調べてくるだけだから」 でも、と引き留めるウェーラの声を背に、皆は連れだって行ってしまう。 「・・・・・・」 ウェーラはめずらしく大きなため息をついて肩をすぼめる。
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ウェーラのまたたき (9) 二人して、控室にも入りもせず、入り口からも退いて、代わりに壁にぴたりと背中をつけて、気付かれないように中をそっと窺っているのはどうかと思う。 思うのだけれど、成り行きでそうなってしまった。ノイナの前でエウセピアもまたぴたりと壁に寄り添って控室をうかがっている。ノイナは問うた。 「いかが思われましょう、エウセピア様」 エウセピアは壁に張り付いたまま、顔だけ振り向く。赤の瞳がノイナを見つめる。その眉は顰められていて、うん、とノイナへとうなずきかける。ノイナは応じる。 「すこし前から、様子が少し変わられたような気がしておりました。おしゃべりも少なくなったような気がして・・・・・・」 そう言った途端、エウセピアは両手を胸の前できゅっと結び合わせて目を見開く。ふるふるとかぶりを振って、信じられないと言いたげだ。エウセピアは壁に背中を付けたまま、もういちど控室へと振り向く。 扉は開いたままだから、中のおしゃべりは廊下にまで聞こえてくる。そのざわめきのなかにウェーラの声は聞こえてこないように思える。前にはエウセピアがいるから、ノイナには伺えない。エウセピアはゆっくりと振り返る。その口元は戸惑いを示すかのようだ。それからノイナへ向けてゆっくりとうなずく。やはりウェーラの声は聞こえないらしい。 エウセピアの赤の瞳がノイナをじっと見つめる。 「わたしではいかに成せばよいか、はかりかねて・・・・・・」 言うノイナに、エウセピアはうなずき返す。その瞳には、先までより一層近づきがたい治からがある。 エウセピアは髪を振ってくるりと振り返り、控室へ向けて力強く歩いてゆく。部屋に入ったとたん、中から声があがる。追ってノイナも控え室へと入る。 「エウセピア様、お待ちしてました」 「ノイナさんも。いらっしゃいな」 「あたしたち、新しい企画を考えておりましたの」 「ねえ、歌劇っていいと思いませんこと」 エウセピアはごきげんようと頷き返しながら、まっすぐにウェーラの前へと歩み寄ってゆく。 ウェーラは初めは笑みを見せ、それからここの所するようになったまたたきを見せる。小さく手を振るために肩あたりに上げられたウェーラのその手をそっととる。もう一方の手をも取って、立ちあがるように促す。 「・・・・・・・なに?」 戸惑い立ち上がったウェーラの両手を、しっかり握りしめながら、エウセピアもウェーラを見返してまっすぐに立つ。 身じろぎもせずにじっとそうしているのはわかった。 「・・・・・・どうしたの?エウセピア様」 エウセピアはふるふると首を振る。そういうことではないでしょう、と言いたげに。 見返すウェーラは、困ったように斜め上へと目を逸らす。それからノイナを見た。だからノイナも一歩踏み出して言う。 「ここの所、ウェーラ様のお元気がないように見えて、少し案じておりました」 言葉に応じるようにエウセピアもうなずく。 「お友達でしょう。だから・・・・・・」 何も隠さなくていい。一人で相対せぬのなら、力にならせてほしい、そう言いたいのだと、ノイナは思った。 「・・・・・・」 瞳を振るわせてウェーラもエウセピアを見返す。 「ありがとう」 でもね、とすこし照れくさげにウェーラは言う。 「そんなことじゃなかったの。あのね、あたし、ちょっとおしゃべりかなーと思ったの」 ウェーラは言う。 わたしだけずーと喋ってるのかなーって。楽しかったから初めのうちは気付かなかったんだけど・・・・・・それに、物静かなのって大人っぽくていいなあって思って。だって、ノイナさん、同い年でしょう? 思わずノイナは言った。 「じゃあ、瞬きは?」 「あ、あれ?」 ばつ悪げにウェーラは目を逸らす。 「目は口ほどにものをいうっていうから・・・・・・」 でも、とウェーラは続ける。 「おしゃべりしないのって結構疲れるの。私知らなかった。普通に喋ればいいんだけれど、なかなか通じなくて寝る前にはもう、ぐったりしてたの。 「・・・・・・」 何とも言い難い空気が流れてゆく。 皆が黙り込んでいた。というより、ノイナと同じように何を言っていいか判らないのだと思った。 「・・・・・・!」 それは誰かの吐息だった。吐息というより、堪えていた笑いが噴き出したように聞こえる。 エウセピアは肩を震わせてうつむいていた。背にかかる髪が震えるたびにさらさらと落ちてゆく。 笑い声が聞こえる。笑いながらエウセピアはウェーラの肩にもたれかかった。 「よかった・・・・・・」 笑いの中から絞り出すようにつぶやく声が聞こえる。 「ごめんね」 ウェーラはそれから顔を上げて、ノイナを見る。 「ノイナさんもごめんね、心配してくれたのは、ちょっとわかってたんだけど、言い出しづらくて。でも言ったらほっとしちゃった」 くっくと笑うエウセピアの声が聞こえる。その声は少しずつ大きくなる。もう我慢しきれないというように、エウセピアは顔を上げて笑った。 「そんなに笑わないでよ」 「だって・・・・・・」 エウセピアは言う。 「あんまりあなたらしくって・・・・・・」 思わずノイナも笑ってしまった。しっかりした先輩だと思っていたけれど、それだけじゃない。むしろノイナは少し安心していた。 「な、なんだかわからないけれど、解決したみたいでよかった」 「じゃあ、みんな揃ったみたいだし、練習始めましょうか」 「新歓コンサートまであとちょっと、がんばろー!」 おー! 和んだ空気の中で、皆が応じる。 「今年は新しいことにも挑戦しよう!」 おー! 「まずは歌劇」 「あ、そのことだけど・・・・・・」 わあ!と湧く皆の中でウェーラはいう。けれど別の声がかぶさる。 「歌劇インガヌスの冒険!」 「主人公はノイナ様!」 盛り上がる皆の中で、ノイナもなんとなく拍手していた。 「え?!」 言葉の意味が判ったときには、聖歌隊の皆がノイナを見ていた。 期待に満ちた目で。 「お話する手間が省けたわね」 「え?」 「よかったー、どう切り出そうかと思ってたの」 「え?」 「きっとぴったり」 「ま、待ちたまえ、諸君」 あわててノイナは言った。帰ってくるのは歓声に近い声だ。 「もう役作りに入ってる」 そんな感じそんな感じ、ぴったり!思ってた通り!そうだ!衣装も考えなくちゃ!悪のトライアナーに負けそうになって傷ついたときの衣装とか、きゃあ 抗う声は、声の中にまぎれて消えてゆく。 というわけで、ウェーラとエウセピアを描きたい放題書けたw ノイナとウェーラの話だけでなく、実はウェーラとエウセピアの話でもあったんだよ、あったんだよw そこに魔王エンジェルズを何度も何度も出したのは、もちろん、ぼく的には意味があって。 書きながら位置づけを作っていったところがあるので、ちょっと大変だったけど ちゃんと必要だと思って入れたんだ。うん。 新キャラ出まくりで、さすがの僕もかなりオーバーフローしてたw フェイトそんなんかなかなかちゃんと相対せられなくて、もう欲求不満で自爆しそうだったw 書いている方が積極的にいろいろとアレでコレでソレでw 何が何やらw(それが偽らざる内心だったり>何が何やらw いや、この状態を的確に表す言葉を僕は知っている。 「書くことに淫している(栗本薫」だw
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* よくつかってるありがたいフリーソフトありがたや きょくづくり ミノ式MIDIシーケンサ 午後のこ~だ GranuLab tsscp おえかき Pixia げーむづくり Delphi6 さいとづくり Crescent Eve alphaEDIT * めるもちゃん めえるつかえなくなっちゃった * こうしんするとこはいまこんくらい ,.. # ,. % % ,. @ ,. ,. ,... ここからこうこくのくに ---- ---- ----
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ゴリ直伝ハエたたき (SLAM DUNK) 使用条件 条件なし 効果 [戦闘][対抗(逃避)] 1D6を振り、以下の効果を得る。 出目 効果 1~5 対象の戦闘離脱効果を無効化し、1:1の損害判定を与える。 6 ファウル。自分は戦闘を退場。 1度使用するとこの能力カードは破棄される。 備考 この能力カードへの意見 名前 コメント
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症状 割引クーポンなどのお得な割引サービスに対して「男らしさ」が邪魔をしてお得な割引サービスが受けられなくなってしまう非常に小額な病気である。 主なクーポン マクドナルドのクーポン 松屋の温玉無料もしくは替え玉無料クーポン スマートフォンからのクーポン割引 類症 Tポイントカードお持ちですか?と言われるまで出さない病 ソフトクリーム頼めない病 番組 第004回 「人前ではオヤジって呼んじゃう病」、「ソフトクリーム頼めない病」、「クーポン券使えない病」
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またたきヒマワリ C 自然文明 (5) クリーチャー:ツリーフォーク 5000 ■このクリーチャーが破壊された時、相手はバトルゾーンにある自身のクリーチャーを1体選び、持ち主のマナゾーンに置く。 作者:赤烏 フレーバーテキスト DMW-01 「龍撃編(トワイライト・ドラゴン) 第1弾」DMW-22 「トランセンド・レゾン」森林の中で明るい場所に出たら、もう一度、そこは薄暗いはずの場所であることを思い出してみるといい。 収録 DMW-01 「龍撃編(トワイライト・ドラゴン) 第1弾」 DMW-22 「トランセンド・レゾン」219/234 評価 名前 コメント